それ、本当に「性格」じゃないかも…感情の波と血糖値の話
碓田 紗由里 2025年5月13日

見落とされがちなストレス「血糖値」
なんとなく体調が優れなくて病院に行ったら、「ストレスですね」と言われたこと、ありませんか?
でも、そう言われたところで、「じゃあ、どうすればいいの…?」とモヤモヤが残ってしまう。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
ちょうど新年度で、仕事や家庭の環境が変わったり、子どもの学校行事が立て込んだり…。知らず知らずのうちにストレスが積み重なりやすい時期です。
今回は、見過ごされがちな“血糖値とストレスの関係”について、わかりやすくご紹介します。
ストレスって「心」だけの問題じゃない?
イライラ、不安、ちょっとしたことで涙が出そうになる…。
そんな時、「私ってメンタル弱いのかな?」と感じてしまうかもしれません。
でも実は、それらの感情の揺れには、**“血糖値の乱れ”**が関わっていることがあるんです。
ストレスには「精神的ストレス」以外にも、「肉体的ストレス」や「栄養・化学的ストレス」があります。
これらは互いに影響しあいながら、体調や心の安定に大きく関わっているのです。
例えば、脂質が不足していると肩こりが慢性化しやすくなったり、強い精神的ストレスがあると首が回しづらくなったり…。
実は、私たちの“心のゆらぎ”は、体の中からのサインでもあるんですね。
不安やイライラ…もしかして「低血糖」かも?
「血糖値」とは、血液中のブドウ糖の濃度のこと。
この血糖値が下がりすぎると(=低血糖)、私たちの心や体にさまざまな変化が起きます。
✓ すぐにイライラしてしまう
✓ 理由もなく不安になる
✓ やる気が出ない
✓ 子どもが夕方ぐずりやすい
こんな症状、思い当たりませんか?
実は、血糖値が急に下がると、脳が「エネルギーが足りない!」と感じ、体を“戦闘モード(交感神経優位)”に切り替えてしまうんです。
その結果、ちょっとした出来事にも過敏になり、感情的になりやすくなるというわけです。

すべての人が「空腹=イライラ」になるわけじゃない?
「お腹が空くと不機嫌になる人」と「平気な人」がいますよね。
その違いは、血糖値をコントロールする“体の仕組み”がうまく働いているかどうかなんです。
栄養バランスが整っていて、血糖値の調整力がしっかりしている人は、空腹でもイライラしにくいんですね。
反対に、糖質に偏った食事や、疲れがたまっている状態だと、血糖値のアップダウンが激しくなり、感情にも波が出やすくなります。

血糖値を整えて「心も体もごきげん」
では、どうすれば血糖値を安定させられるのでしょうか?
🔸 控えたいのは…
甘いお菓子、白ごはん、パン、パスタなど、糖質が多い食事に偏ること。
🔸 積極的に摂りたいのは…
魚やお肉、卵、大豆などのタンパク質と、オリーブオイルやナッツなどの良質な脂質。
特に、朝は忙しくて食欲が出ない方も多いと思いますが、朝食を抜くと午前中の低血糖につながります。
「少しだけでもタンパク質を…」と意識してみると、気分の安定につながりますよ。
間食が欲しくなったら、チョコやパンよりも、
焼き鳥、ゆで卵、ナッツ、野菜スティック with オリーブオイル&塩 などがおすすめです。
心がちょっと乱れたときの“お守りおやつ”にぜひ😊

最後に
「なんだか最近、私らしくないな」と感じるとき、
それは“心”の問題ではなく、“血糖値”のサインかもしれません。
無理に頑張るより、食事と体を見直すことで、自然と気持ちがラクになることもあります。
今日から、ほんの少しだけ“自分を整える食べ方”を意識してみてくださいね。
あなたの毎日が、もっと軽やかでごきげんになりますように。
参考論文Pubmed「Anxiety Constitutes an Early Sign of Acute Hypoglycemia」